Central Kalahari Game Reserve Day 1(中央カラハリ野生動物保護区1日目)
Dec 26-27, 2008
ボツワナに赴任してから3か月経ち、職場には殆ど誰もいなくなるクリスマス休暇の時期になりました。そんな長期休暇を迎える少し前に先輩のNさんから、サファリ・ツアーのお誘いがありました。協力隊のK君が企画してくれた3泊4日のフルケータリングと呼ばれるタイプで、ガイドの他にアシスタントが2人同行し、テントの設営や食事の準備など全てやってくれる楽々ツアーです。参加者は、若手からシニアまで含め男女10名。
ツアーの集合場所はマウンなので、私たちシニア4人はハボロネ空港から飛行機に乗りマウン空港へ。集合場所近くにあるDiscovery B&Bというロッジに前泊しました。このロッジは、ハットと呼ばれる円筒形の伝統的な住居を10棟ほど配置しています。
昔ながらの外観ですが、内部は現代的なホテルの部屋に改造されていて、蚊帳つきのベッド、シャワー、水洗トイレ、エアコンなどが設けられ、快適に眠ることができました。このロッジのオーナーは、オランダから移住してきた夫婦で、広いボツワナにきて楽しみながら働いているとのこと。
ハットには天井はなく、萱ぶきの屋根が直接見えます。暑さ対策に効果的とのこと。しかし、朝起きた時に、部屋の出口を出たところで巨大なムカデが死んでいるのを見てゾッとしました。
ツアーの集合場所は、マウン郊外にあるアウディ・キャンプ。ここは、各方面へのサファリ・ツアーの出発地点です。朝早く、総勢10人が集まり、大型のサファリ・カーに乗り込んで出発です。
今回のツアーの車は、「SALLY」という名札が付いた軍用車のようなゴツイ車です。古くてボロボロですが、なかなかカッコいいです。
後ろに付けた小さなトレーラーには、テントや調理道具などの荷物がのせられています。これとは別にもう一台、トレーラーを付けた四駆のワゴン車にスタッフが2人乗り、食料などの荷物を積んで一緒に出発しました。
「SALLY」の運転席は、非常にシンプルで、かなり古く、メーターやギアも頼りなさそうです。運転手は、サファリガイドのタエツォさん。大変知識豊富で気配りのあるベテラン名ガイドでした。
Audi Campを出発後、Maunに住んでいる青年隊員の家によって、飲料水のペットボトルを持ち込みます。節約のため、中型のものを小型のボトルに移し替えて使いました。
ガソリンも満タンにして出発です。
まずは、A3高速道路を東に向かいました。交通量の少ない高速道路を時速100Km以上でガタガタ走りました。途中、ハゲワシが群がってなにか食べているところを見つけました。ガイド氏は、早速止まってくれたので、全員カメラを構えて撮影です。
よく見ると、ロバの死骸を食べているようです。
しばらくすると、食べ終わらないのに離れていきました。
仲間のろばたちが来て、ハゲワシを追っ払っていました。
しばらく行くと、Boteti Riverというきれいな川がありました。この川は、オカバンゴ・デルタからマウン市内を経て南東に向かい、マカディカディ・パンに浸み込んで消えていきます。
Boteti Riverの手前あたりからA3を右に曲がってまっすぐ南下します。ボツワナでは、国内がいくつかの地域に区分され、その周りを野生動物管理用のフェンスが隙間なく張られています。それは、野生動物が媒介する病気から牛などの家畜を守るためです。土ぼこりが舞い上がるでこぼこ道になりますが、動物や鳥を間近に見ることができます。
色鮮やかな小鳥がフェンスに留まっているのを見つけて、ガイドさんは早速停車してくれました。 「Beginner’s Guide to Birds of Botswana」にて調べたところ、Southern Carmine Bee-Eater(日本語名:ミナミベニハチクイ)だと思われます。ボツワナの鳥はカラフルです。
動物管理用のフェンスで囲まれた地区から別の地区に入るには、数か所に設けられたゲートに入り、車は薬品の入ったプールに入って消毒し、人間も消毒液の水たまりを歩いて入らなけらばいけません。カラハリ砂漠に入るゲートで見つけたのが、下の写真の「フンコロガシ」です。ファーブル昆虫記に書かれているように、後ろ足で自分の体より大きな動物のふんを一生懸命転がして運んでいました。
フンコロガシは、この糞を自分の巣に運び込んで食料とし、また、卵を産んで孵化(ふか)した幼虫がそれを食べて成長するのだそうです。
セントラル・カラハリ自然保護区(CKGR)までは、このような道が延々と続きます。砂地でタイヤの跡が深い溝になり、道路の真ん中が山のようになっていますから、4WDの背の高い車でないとスタックしてしまいます。道の両端に保護フェンスが張られてずっと先まで伸びています。
途中、昼食、コーヒータイム、トイレ、などで、時々停車します。サービスエリアとか、休憩所も売店などはないので、車から少し離れた灌木の陰で青空トイレ。
カラハリ自然保護区が近づくにつれ、野生動物が多くなってきます。これは、スティーンボック。珍しそうにこちらを見ています。
ダチョウは、あちこちで見られました。車に追っかけられると同じ方向に逃げていきますが、車は時々追い越します。不思議だったのは、フェンスのあちら側を走っていると思っていたら、いつの間にかこちら側にいたり、また、あちらに行ったり。どうやってフェンスをくぐったのでしょうか?
これは、オリックスです。牛ほどの大きさで、長く伸びた二本の角と顔の縞模様が特徴的です。
いよいよ、セントラル・カラハリ自然保護区の北東の入口Matswere Entrance Gateに到着しました。
入り口にある看板には、いくつかのルールが書かれています。
決められたところ以外でキャンプしてはいけない、テント外で寝てはいけない。ごみを散らかしてはいけない、車の屋根に乗ってはいけない、、、、などなど、結構細かい内容です。
ちなみに、一番上に丸く囲まれたマークはBotswana Department of Wildlife & National ParksのLOGOで、可愛いジャッカルが座っています。
入口ゲートから中に入ると、人影はなく、広大な平原が広がっていました。ボツワナの12月は夏の雨季にあたり、曇り空です。雨季と言っても、日本のようにジトジトと長く降るのではなく、どっと降ってカラット晴れてきます。
しかし、雨のため道がぬかるんでいたので、タフなSallyもついに泥沼にはまって抜けられなくなり、皆で押すために車から降りました。そこへ、一台の三菱パジェロが通りがかり、声をかけてきました。ガイドのTaetsoは「大丈夫だよ」と言ったので、その車は通り過ぎていきましたが、私たちの車「Sally」はなかなか泥沼から抜けられず、日は暮れていくし、心細い状態になりました。もう一台の伴走車も夕食準備のため、先にテントサイトに行ってしまっています。
ところが、しばらくすると、ずっと先の方から、ライトを付けた車がこちらへ向かってきました。先ほどのパジェロが心配して様子を見に戻って来てくれました。早速、ロープでけん引して貰って抜け出すことができました。親切なパジェロに感謝!
日没間際になって、やっとSunday Panというテントサイトに到着。テントサイトといっても、小さな広場があるだけで、誰もいません。砂地の広場と汚いトイレと使用不可のシャワールームがあるだけです。(下の写真は翌朝撮ったもの)
私たちは、早速荷物を降ろし、各自二人用テントを組み立てました。各テントには、折り畳み式のベッドを二つずつ入れます。(下の写真は翌朝撮ったもの)
先行した二人のスタッフは、ディナーの準備をしていてくれました。詳しくは憶えていませんが、かなりのご馳走でした。二人は、料理の資格も持つ専門家なのだそうです。真っ暗闇の中で、ランプの明かりで食べた夕食は忘れられません。明かりを求めてたくさんの虫が飛んできましたが、疲れていたのとおいしかったので、気にせず食べました。
二人のスタッフは、料理は上手で働き者で謙遜で、実に良い人たちでした。私たちの食事が終わった後、残り物をとって自分たちの食事としていました。